June 19, 2009

iPhone 3G と Google 携帯

OS が3.0にバージョンアップした iPhone 3G と HTC製 Google 携帯。
Google 携帯を1週間ほど使ってみての個人的所感を交えての比較です。


見た目

Google 携帯の勝ち。iPhone よりやや小ぶり・スリムです。これならポケットに入れられるサイズです。あんなにカッコ良かった iPhone がデカい・ゴツいと感じるほとです。


日本語変換

Google 携帯の勝ち。さすがWnn。変換・予測変換の精度は iPhone を大きく引き離しています。日本の携帯の水準にかなり近づいています。


操作性

ハードウェアとしての操作性はiPhone 3G の勝ち。Google 携帯は中央のトラックポイント風のスティックの操作感がイマイチ好きになれません。なんだかグラグラ・ガタガタです。
ソフトウェア面でも、OSの動作・ブラウザの処理速度は iPhone 3G の方が速い・なめらかです。Google 携帯はやや引っかかり感&もたつき感が。画面をタッチしても、思ったところが反応しません。人間の指先なんてかなりアバウトだと思うのですが、Google携帯はバカ正直に反応しているのでしょう。iPhoneは四角四面に反応するのではなく、「きっとここをタッチしたかったんだろうな」を読み取ってくれる感があります。非常に直感的に操作できます。日本語変換だけ見れば Google 携帯ですが、文字入力操作そのものの快適さは iPhone 3G の方が上です。数種類のキーボード画面やカナの入力方法が用意され、自分の使いやすいものを選べるのがいいですね。特に、フリック入力に慣れてしまうと手放せません。


コンテンツ

Android Marlket と iTunes Store。現在のところ、選択肢は圧倒的にiTunes Store が豊富です。しかし、Android のウリは Apple の目が厳しい iTunes Store に比べて Android Market がオープンであるという点のはず。開発者が数々の勝手アプリを(作ろうと思えば)どんどん作れる環境にあります。1年で Android Market がどこまで成長するのかが楽しみです。


こうして並べてしまうと、現時点ではハードは・・・で、ソフト・コンテンツは iPhone という結論に。

今買うなら、個人的には iPhone 3G S をオススメしたいです。操作性は日常の使用にかなりの影響がある要素ですし、何より対応アプリの充実度が違います!
Google携帯は、1年・2年経って Android Marketの成長ぶりを見てからでも遅くはないかと。どうしても Google が好き!とか、新しもの好きとか、まだまだこれからの Android 市場で一旗揚げたい方は今すぐ!ですが。
また、ソフトウェアの動作のもたつきやスティックのガタつきなどは Android というよりも端末固有の問題です。メーカー各社から端末が出そろい、選択肢が豊富になると Google 携帯の魅力もまた違ってくるのでしょう。

June 10, 2009

Google Developer Day 2009へ行ってきました。

Google Developer Day 2009へ行ってきました。

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午前中はミーティングが入っていたため、午後からの参加でした。

残念ながら基調講演は聴けず。
HTML5やGoogle Waveの話があったようです。

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聴いたセッションは・・・


Google App Engine
- Life of Google App Engine Request -

スピーカーはGoogleのフレッド・ソオー氏。

主にGAEのDatasotre周りの実装テクニックの話でした。
Entityに関連Entityのキーとなる値であるStringのList Propertyを持たせる話とか
Merge Joinのテクニックとか。

私はハッキリ知らないのですが、恐らくLazy Loadingができないため
このようなテクニックが存在するのでは?と思いました。

Joinの話は、Salesforce.comのForce.comも同様なのでよく理解できます。

既にGAEをバリバリ触っているような上級者向けのセッションでした。


Java で動かす Google App Engine

スピーカーはGoogleの夷藤 勇人氏、鵜飼 文敏氏。

こちらはGAE/Jの紹介セッションといった内容。

GAEが何を提供するのか?
認証・Datasotre・キャッシュ・Email・URLフェッチ等でどんなAPIを提供し、どんな実装をしているのか?
Sandbox制限(Force.comのガバナ制限のようなもの)、
今後実装予定の機能、
スケールを考えたデータ構造の設計・実装テクニック(これは直前に聞いたセッションと多少被る内容も。)
などのお話しがありました。

表面上のAPI仕様と実装とが分かれているため、API Proxyというアーキテクチャが実現でき、これによりAOP/インターセプターっぽいことができるという話があり、ちょっとうらやましかったです。
Force.comにもAOP的な機能が欲しいです。

RDBではないので、データの非正規化を恐れずに!という話はよくわかります。あまり細々と正規化してクエリが複雑になるよりは、クラウドにおいてはシンプルなクエリ一発で必要なデータを取れるようにデータ設計するべきですね。

GAEのDatastoreは、「ソフトスキーマ」というアーキテクチャを採用しているそうです。これは、スキーマを固定せずにJPAやJDOのアノテーションのみでスキーマを定義するというものだそうで。
推測するに、Force.comのメタデータに近い概念なのではないでしょうか?
わかりやすく言えば、Force.comではDB物理層に直接テーブル定義を生成しているわけではなく、"メタデータ"と呼ばれる「データ構造の定義」をDBに格納し、実データは多数のカラムを持つ単一テーブルに格納するというアーキテクチャです。
GAEのDatastoreは実装にBigtableが使われているので、やはり物理層にテーブルを作成しているわけではありません。アノテーション定義によってアプリケーション側からはテーブルがあるように見えていながら、その裏側で動いている実装では個々のテーブルを作成せずにデータはすべてBigtableという多数のカラムを持つ単一のテーブルに格納している・・・というアーキテクチャなのでしょう。たぶん。

GAEには非同期処理・テキスト全文検索・インバウンドメール・データのインポート/エクスポート等の機能はまだ実装されておらず、今後実装予定とのことです。
まだエンタープライズ用途では使えないかな。


クラウドコンピューティングがもたらす5つのメリットとは

スピーカーはGoogleの泉 篤彦氏。
エンタープライズ分野のプリセールスエンジニアをされている方だそうです。
このセッションでハッキリ聞くことができました。
Googleがエンタープライズ向けに扱っているサービスには、GAEは含まれていません。

このセッションは、Google AppsのPremier/Education Editionの紹介セッションという色が濃いモノでした。

クラウドコンピューティングがもたらすメリット、というお題ですが、内容はクラウドのメリット、SaaSのメリット、Googleであることのメリット、Google Apps固有のメリットが混在していました。

まあ、キレイに切り分けるのは難しいのですが、気をつけないと「クラウドコンピューティングってよくワカラナイ」という人がますます増えそうです。

他のクラウドサービスとの連携が容易である、というくだりではSalesforceが紹介されていました。

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Google エンタープライズ エコシステムとは –Google Enterprise Partner–

こちらも引き続き泉氏のセッション。

エンタープライズ向けサービスのパートナー制度の紹介でした。


Google テクノロジー ライトニングトーク

サイオステクノロジー松尾さんによる、自作のGAE向けフレームワーク"Kay"の紹介。
デバッガを使えるのがいいですね。Force.comもブレークポイントを置いて、ステップ実行して、変数の値を確認して・・・とできたらいいのに。

Seessaaの安藤さんによる、Rails on GAE/Jの話。
当初はエライ大変な手順を踏まないとGAE/J上でRailsを動作させることはできなかったのを、とてもとてもカンタンにした、というお話し。

日本Androidの会の近藤さんによる、Androidが組み込み業界へ与えるインパクトのお話し。将来はPCと携帯の垣根が無くなるという展望をお話しされていました。

スパイスボックスラボラトリの神部さんによる、Open Social Hackathonのお話し。Hackathonに参加しよう!というメッセージを熱く語っていました。

E-flowの久野氏による、Dalvik VM実装のお話し。Google謹製のDalvik VMがケータイJavaの2~5倍も遅かったので、自分で実装してケータイJavaと同等まで持って行ったお話し。非常に素晴らしい成果だと思います。一方で、Dalvik VMとは何か?に一切触れなかったので、会場には「そもそもDalvik VMってなに?」な人が多かったのでは?と心配になりました。

最後に、松尾氏がTokyo GTUG(Tokyo Google Technology Users Group)を立ち上げました、と紹介されていました。

Tokyo GTUG
http://groups.google.com/group/tokyo-gtug


個人的に(職業柄?)Googleのエンタープライズ向けサービス戦略の情報を得たかったのですが、今のところGoogleのエンタープライズ向けサービスはGoogle Appsと検索アプライアンス、企業向けGoogle Map APIという内容のようです。
GAEはデータ管理やユーザの権限コントロールが不十分だったり、ワークフローなどが実装されてなかったりと、エンタープライズ用途にはまだまだですね。



なんと、事前登録者全員に携帯電話がプレゼントされました。

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Google製OS「Android」搭載のHTC製端末です。

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先日、サンフランシスコで行われたGoogle I/Oでも入場者に配られたそうですが
まさか、日本でもやるとは!

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Googleさん、太っ腹です。

これはdocomoから発売されるHT-03Aとほぼ同等のものです。
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/pro/ht03a/index.html

docomo発売前なので、この日この端末を手にした人は
恐らく日本で最も早く日本語入力可能なAndroid端末を入手したことに
なるのではないでしょうか。

あともらったのは、タオルとかステッカーとか。

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事前登録の時にTシャツのサイズを聞かれたので
てっきりTシャツをもらえるのかと思っていましたが・・・
急遽タオルに変更になったのでしょうか。

October 19, 2008

Force.comのApex

約1年前に発表されたSalesforce.comが提供するアプリケーション開発環境・動作環境「Force.com」。
Salesforce.comは「SDKを配布するからインストールしてアプリ開発してね」ではなく、アプリケーションの統合開発環境・テスト環境までもWeb上に乗っけてきました。統合開発環境のSaaS化です。アカウントを取得すればブラウザを起動するだけでSalesforce.comのクラウド上でアプリ開発可能です。
しかも既に実用化・収益化できています。Salesforce.comの強みであり、他社がなかなか追いつけない要素の1つでしょう。
はじめて知ったときは、何てスゴイモノを作ったんだ!と驚愕しました。

しかし・・・

プログラミング言語が「Apex」という独自言語なのが惜しいところ。

中身を開けてみればJavaに似ているし、シンプルで覚えやすいのですが・・・
開発者の視点から見るとどんなにカンタンでも「新しい言語を覚えなくてはいけない」というだけで壁が1枚できるものです。

「マルチテナント」と「安全性」を両立するためには、Salesforceのプラットフォームのコア部分が動いているモノ(ここはJavaです)を共有させるわけにはいかず、もう1層上にVM(のようなモノ)を乗っける必要があることは理解できます。

でも、そこがJavaであってもいいはず。

やはり、過去のSunと他社との経緯を無視できなかったのでしょう。

Sunは、Java標準仕様に独自の拡張や独自の制約を設けることに関しては煩いですから。

MicrosoftはJavaに独自の拡張をしたためにSunに訴えられ、長い法廷闘争の末にJava2以降の実装を許されなくなりました。

最近では、GoogleのAndroidも独自のアーキテクチャゆえ、SunとGoogleの間で少し揉めました。


そんなわけで、Sunが進めているProject Carolineには注目しています。SunはProject Carolineで、JavaによるPaaSを実現しようとしています。

Sunの中の人に聞いた限りでは、Project CarolineがSunのクラウドコンピューティング戦略のメインストリームというわけでもなく、SunのPaaSはProject Carolineで行くと決まっているわけでもなく、ただの研究開発プロジェクトの1つでしかない、ということですが・・・

将来的には、EclipseもSaaS/PaaS化したいという噂もちらほら。

Amazon/Oracleあたりで、Xenベースのオープンなアーキテクチャなクラウドコンピューティングという流れもあります。


これらが実用化されたらForce.com/Apexやばいかも。

今はSalesforce.comが先行しています。他社が追いつくまでに時間がかかるので、その間にデファクトを握ってしまおうという方針でしょうか。
それとも、オープンなアーキテクチャへの大幅な方針転換の可能性も視野に入れているのでしょうか。

個人的には、Force.comのプログラミング言語がJavaになってくれたら言うことナシです。

September 13, 2008

Android

Android は、Google が開発している携帯電話向け OS & プラットフォームです。
Apple iPhone のような、大画面・PC ライクなタッチパネル操作の UI の携帯端末が実現されます。

近々、台湾 HTC 製の端末が完成し、アメリカやドイツなどでサービスが開始されることが決まっていますが・・・

日本でも近々 Andoroid 携帯がサービス開始されるという噂もあります。そんなタイミングで Android のユーザグループ「日本 Android の会」が発足しました。


その発足記念式典に行ってきました。
http://android.siprop.org/index.php?FrontPage



目玉は、なんと言っても Google の Android チームのエンジニア Adrian Havill 氏による記念講演。
かなりムリをして仕事を抜けて聴きに来た価値がありました。

・・・しかし、その内容はコンフィデンシャルとのこと。

講演開始前に、報道も個人ブログもその内容を公表しないように、とアナウンスがありました。写真もNG。
(発足式典のプログラムは Android の会 Web サイト上で公開されているので、彼が記念講演を行ったという事実のみなら書いても大丈夫でしょう・・・)

  以前から感じていましたが、Google は世界中の情報をどん欲に集めますが、
  自らの情報を出すことには非常に慎重な企業ですね。。。



会長の早稲田大学客員教授・丸山先生の基調講演によれば、Android はオープンソースであること、クラウドコンピューティングが前提であることが特徴なのだとか。

Google のクラウド上のサービスを利用することが前提となっている携帯という感じです。

ビジネス上・マーケティング上の観点から見ると、オープンソースソフトウェアの SDK を使ってアプリを自由に作成し、作成したアプリを自由に配布できるという点が大きな特徴でしょう。

Apple の iPhone は、キャリア主導の壁は壊しましたが、ユーザから見るとソフトウェアの配布・販売がキャリアから Apple に移っただけとも言えます。

Google Android は、誰でもアプリケーションを自由に配布できるところが大きく異なります。

これが吉と出るか、凶と出るか・・・

Google のやり方は、誰にでも開放されるオープン性が素晴らしいのですが、どこにどんなソフトウェアがあるのか、わかりにくくなる可能性があります。
Apple のやり方なら、iTunes Store に行けばすべての iPhone アプリケーションを探すことができるというわかりやすさ・利便性があります。

加えて、Apple には独自の洗練された統一感のあるデザイン性・遊び心・ブランド力があり、一般ユーザには圧倒的に iPhone のほうが受けがいいのではないでしょうか。
私は iPhone でも Google のサービスばかり使っているぐらいなので、Android にはとても興味があるのですが・・・



会場には、端末のサンプルも展示されていました。



ちょっと、印象がダリの La persistencia de la memoria(The Persistence of Memory・記憶の持続 ※メモリの永続化ではありません(^^; )に似てませんか?
きっと、時計が宙に浮いているシュールさがそう思わせるのでしょう。


会場で、Google にいる知人に久しぶりに会いました。
最近「よくわからない肩書きランキング」で「エバンジェリスト」が第1位であることが話題になっていますが、これは IT エンジニアにはとても馴染みのある肩書きですよね。
しかしこの Google の知人の肩書きは「デベロッパーアドボケイト」でした。これはさすがに初めて見ました(笑)

日本 Android の会
Google Android

January 25, 2008

ドコモとGoogleの提携

先日、auが28日に大発表を行うという発表があったのを受けて、
このブログではGoogleとの連携強化を期待する思いを書きました。

http://techjudith.blogspot.com/2008/01/au-by-kddi.html

なんと、今週NTTドコモがGoogleとの大提携を発表してビックリしているところです。

http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20184967,00.htm

私がau/Googleに期待したことを、ドコモがやってしまいそうな予感・・・

今回の発表によればYouTube、Picasa、Google Calendarとの連携など、
私の望むサービスがいくつか実現されそうです。

来週のauの発表がどれだけインパクトあるものなのかを見てからになりますが、
ドコモへ乗り換えようかと考え始めています。

AppleのiPhone日本進出の動きも気になりますね。
ドコモかソフトバンクかと言われていますが、
ドコモはGoogle Androidへの協力も正式発表しました。

ドコモがiPhoneもAndroidも・・・は考えにくいだけに、iPhoneはソフトバンクでしょうか。

それとも、28日のauの大発表ってもしかしたら・・・?