April 12, 2008

「技術者の自己満足ではいけない」と「SE は技術オタクである必要はない」を混同してはいけない

「ウチは SE を育てますから、技術オタクにするつもりはありません」

春から秋にかけては新人研修の講師をすることも多い私ですが。

いまだに、こんなトンデモナイ勘違い発言をする SIer の人事・研修担当の方がたくさんいます。


技術者の自己満足ではいけない
これは正しいです。

お客様にとっては、どんなシステムができるのか?が重要でどんな技術を使っているのか?は重要ではない
表面的・直接的には正しいですが、あまり正確ではありません。
どんな技術が使われるのかは重要です。信頼できる技術・ノウハウが蓄積された技術・生産性の高い技術・保守性の高い技術が使われることは開発時や後のメンテナンス時のコストに影響しますから。

SE は技術オタクである必要はない
大間違いです。SE はシステムの専門家としてお金を稼いでいる以上、技術オタクであるべきです。お客様も周囲もそれを期待して専門家ならではの視点や考え方を求めます。自分が売っているものに対する製品知識は必要です。大事なのは技術オタクをそのままお客様に押しつけてはいけないということです。
建築に例えるなら、最新の設計手法・工法に興味が無く、最新技術に精通していない建築士を信頼できますか?常に最新の情報収集・最新技術の研究に努め、使える技術を採り入れる建築士とどちらを信頼できますか?
答えは自ずと見えてくるでしょう。


根本的に、技術者に向いている人・IT業界に向いている人は新しもの好きです。常に最新の情報にアンテナを張っている人です。そして、エンジニアとしてワクワクさせてくれるような技術を使ってみたい!と思っています。
実際の開発でも、ある技術を採用する理由として「エンジニアとして楽しそうだから・面白そうだから・使ってみたいから」という理由は、私はアリだと思っています。(※ もちろん、その技術がシステムに対する要件を満たしていることは大前提ですが。)
根本的に新しもの好きであるエンジニアがワクワクしながらやる気満々で取り組んだ仕事と、技術オタクな視点を完全に無視され、ルーティンと化した手法しか使わないで取り組んだ仕事。どちらが高い品質を期待できるでしょうか?

私は、ひがさんがよくおっしゃる「開発を楽しく」に非常に共感できます。

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