November 6, 2008

Salesforce.comが新サービスを発表

Salesforce.comが、米サンフランシスコで開催中のDreamforceで、様々な新サービスを発表しました。

  • Force.comアプリを外部公開サイトにできるForce.com Sites
  • Force.comアプリでGoogle Visualizationを利用できる
  • Force.comアプリのAmazon EC2/S3対応
  • Force.comアプリからFaceBook APIを利用できる


各機能の解説は各種ニュースサイトにお任せするとして・・・


この中で私が注目するのは「Force.com Sites」です。
http://developer.force.com/sites
単なる外部公開するWebアプリケーションPaaSプラットフォームとして強力なGoogle App Engine対抗となり得るばかりか、独自ドメインも使えるようですし、SFDCがこれまで提供してきたCRM等と連携して、アンケートやお問い合わせ・サポートなど、マーケティングツールとして幅広く使えそうですね。
Google App Engineで同じことをやろうとしたら自分で作り込まなくてはならない部分があまりにも多すぎます。
SaaSベースのCRMを提供している他ベンダー(OracleやSugarCRMなど)が同じことをやろうとしてもまた、自分で作り込まなくてはならない部分があまりにも多すぎます。
この機能はまだDreamforce参加者限定のプレビュー版ということですが、この機能を使うにはライセンス料がそれほど安くはなさそう・・・と予測しますが・・・。


それから、Amazon EC2/S3対応。
http://wiki.apexdevnet.com/index.php/Amazon_Toolkit
つい先日のエントリーで、オープン性・互換性についての懸念を書いたばかりですが、SFDCはちゃんと対応を考えていました。

まだチュートリアルをちゃんと見ていませんが・・・

Force.comで作成したアプリをAMIにしてAmazon VM上で動作させることができるのかな?

私は、ユーザがクラウドコンピューティングへの抵抗を感じるポイントとして、セキュリティ面の他に互換性の問題があると思います。
クラウドコンピューティングプロバイダのサービス廃止は、フェイルオーバー、サービス障害、プロプライエタリ技術による囲い込み以上に大きな問題です。ユーザは、SFDCのアプリを使えば使うほど、「これが無くなったらどうしよう?」と思いますから。
作成したアプリが、SFDCのクラウド上でも、Amazonのクラウド上でも動作できるならば、ユーザにとって大きなメリットになるでしょう。

ストレージとしてS3が使えるのも大歓迎です。


Facebook連携は・・・
日本国内ユーザはあまり多くないのでまぁいいでしょう(笑)

SpringFramework 2.5.6 リリース

されました。

主な変更点は

  • AspectJ 1.6.2 対応(1.5.x、1.6.x との互換背は保持)
  • EHCache 1.5.0 対応(1.2 以上との互換背は保持)
  • TestNG 5.8 対応(5.5 以上との互換背は保持)
  • OpenJPA 1.1.0 対応(1.2.0 と同様、1.0 との互換性は保持)
  • EclipseLink 1.0.1 対応
など。

changelogはこちら


来週木曜日に、次期バージョン Spring3.0 について何か発表があるようですね。

October 19, 2008

FireFox3.1β1

遅ればせながら使ってみました。



JavaScriptが速いという噂は本物のようです。

今のところ、私の中では Google Chrome と双璧です。

強いて言えばアドレスバーにキーワード入力して、候補も検索も瞬時に選べる使い勝手ではChromeが優位です。新しいタブを開くときに、カレントのタブのすぐ隣に開く動作も慣れると使いやすいですね。
しかし、ChromeはたまにIME(私はAtok愛用です)が効かなくなるのが痛い・・・

Chromeは複数プロセスで動作するのが面白いと思います。
多くのブラウザで採用されている同一プロセスでの動作は、元々はリソースの節約という目的もあったと思うのですが、クライアントPCのスペックがこれだけ上がれば複数プロセスでもかまわないという、割り切りというか、いままでの常識をひっくり返す発想がいかにもGoogleらしいです。

FireFoxはLinuxにも対応しているのが◎です。
Google ChromeもLinux対応しないかな・・・

Force.comのApex

約1年前に発表されたSalesforce.comが提供するアプリケーション開発環境・動作環境「Force.com」。
Salesforce.comは「SDKを配布するからインストールしてアプリ開発してね」ではなく、アプリケーションの統合開発環境・テスト環境までもWeb上に乗っけてきました。統合開発環境のSaaS化です。アカウントを取得すればブラウザを起動するだけでSalesforce.comのクラウド上でアプリ開発可能です。
しかも既に実用化・収益化できています。Salesforce.comの強みであり、他社がなかなか追いつけない要素の1つでしょう。
はじめて知ったときは、何てスゴイモノを作ったんだ!と驚愕しました。

しかし・・・

プログラミング言語が「Apex」という独自言語なのが惜しいところ。

中身を開けてみればJavaに似ているし、シンプルで覚えやすいのですが・・・
開発者の視点から見るとどんなにカンタンでも「新しい言語を覚えなくてはいけない」というだけで壁が1枚できるものです。

「マルチテナント」と「安全性」を両立するためには、Salesforceのプラットフォームのコア部分が動いているモノ(ここはJavaです)を共有させるわけにはいかず、もう1層上にVM(のようなモノ)を乗っける必要があることは理解できます。

でも、そこがJavaであってもいいはず。

やはり、過去のSunと他社との経緯を無視できなかったのでしょう。

Sunは、Java標準仕様に独自の拡張や独自の制約を設けることに関しては煩いですから。

MicrosoftはJavaに独自の拡張をしたためにSunに訴えられ、長い法廷闘争の末にJava2以降の実装を許されなくなりました。

最近では、GoogleのAndroidも独自のアーキテクチャゆえ、SunとGoogleの間で少し揉めました。


そんなわけで、Sunが進めているProject Carolineには注目しています。SunはProject Carolineで、JavaによるPaaSを実現しようとしています。

Sunの中の人に聞いた限りでは、Project CarolineがSunのクラウドコンピューティング戦略のメインストリームというわけでもなく、SunのPaaSはProject Carolineで行くと決まっているわけでもなく、ただの研究開発プロジェクトの1つでしかない、ということですが・・・

将来的には、EclipseもSaaS/PaaS化したいという噂もちらほら。

Amazon/Oracleあたりで、Xenベースのオープンなアーキテクチャなクラウドコンピューティングという流れもあります。


これらが実用化されたらForce.com/Apexやばいかも。

今はSalesforce.comが先行しています。他社が追いつくまでに時間がかかるので、その間にデファクトを握ってしまおうという方針でしょうか。
それとも、オープンなアーキテクチャへの大幅な方針転換の可能性も視野に入れているのでしょうか。

個人的には、Force.comのプログラミング言語がJavaになってくれたら言うことナシです。

October 5, 2008

最近のクラウド・SaaS・PaaS

Cloud Computing
最近、データセンターを作っただけで「クラウド参入」とか言ってる企業、多くないですか?
「データセンター」を「クラウド」と言い換えているだけのような。
「クラウド・コンピューティング」は「仮想化」以来の“乱用語大賞”
「過大な情報がIT業界に混乱を招く」とガートナーが警鐘
  ※「MSとIBMが使い出した時点でバズワード化する」とはS社のO氏の発言。(^^;


SaaS
実態はただのWebアプリやASPなのに「SaaS参入」とか言ってる企業、多くないですか?
SaaSと言いながらクラウド環境・マルチテナント環境ではないため、いったいどれだけスケールするのか不安で仕方ない「SaaSもどき」が増えてきました。


PaaS
これを実用化・収益化できている企業はごくわずか。さすがに猫も杓子も「PaaS」と言い出すまでには至っていませんね。




各社の動向
最近の各社の動きはどうなっているのでしょうか?
大きく分けると、

  1. クラウドインフラのみ提供
  2. アプリケーションを提供(SaaS)
  3. アプリケーション動作環境を提供(PaaS)
といった分類になるでしょうか。


Yahoo/HP/Intel連合
まだ研究開発段階。クラウドインフラと、もしかしたらPaaSも?
HP、インテル、ヤフーの3社、クラウド・コンピューティングの共同研究プロジェクトを発表


ユニシス
「SaaSはじめます」と言ったが、その後進んでいるのだろうか?「乗り遅れたくない」感で言ってみただけ?
日本における早急なPaaS、CaaSの確立を目指す~ユニシス


富士通
「SaaSはじめました」と言ったが、その後進んでいるのだろうか?「乗り遅れたくない」感で言ってみただけ?
富士通が SaaS 3 サービスを開始


IBM
データセンターをばんばん作っている。その上で何をやるのだろう・・・。クラウドインフラと、もしかしたらPaaSも?
IBM、「Blue Cloud」コンピューティング計画を発表
IBM、世界4カ所にクラウド・コンピューティング・センターを開設


Sun
Project Carolineは大注目。Salesforce.comが成し得ていない、標準言語(Java)によるPaaSを実現しようとしている。でもまだ研究開発段階。
サン、PaaSモデルの研究プロジェクト「Project Caroline」を披露


Google
Google App Engineはアプリケーション実行環境の提供という形式でPaaSをやっているけど、アプリケーションの開発作業はローカルマシン上で行ってそれをアップロードするしかない。
ここ1年ぐらい、エンタープライズ分野では最近目立った動きがないが、Mobile側(Android)からクラウドの使い道を広げようとしている。うまくいけばこっちの切り口からエンタープライズ分野へ食い込んでいけるのかも。
「独創的な」という言葉がぴったりなこの企業の動きには常に要注目。


Amazon.com
インフラの提供はしっかりやっているけど、その上で何をするのか?は利用者任せ。今のところ、Amazon.com自身はECサイト以上のサービスをしていない。Amazon WSは、実質はレンタルサーバっぽい使われ方がほとんどなのでは?


Microsoft
クラウド上にWindows Serverが乗っかって、何が嬉しいのだろうか・・・
MSのクラウドへの取り組みは、Office Suiteにしろ、OSにしろ、結局クライアントパッケージをインストールしないと使えない「非SaaS」なものになるでしょう。
MSのバルマーCEO、「Windows Cloud」の詳細に言及


Oracle
Siebel on Demandなど一部SaaSを提供しているけど、いったいどのぐらい儲かっているのだろうか。MS同様、パッケージライセンスの売上によって過去最高利益を更新し続けているこの企業が、本気でSaaS/PaaSに取り組むとは考えにくい。
Amazon WS上にOracle Databaseを乗っけるパッケージの提供も始めるらしいけど、自社パッケージをクラウドに乗せますという点ではWindows Cloudと同じ。自分でアップロードして展開して設定してね、という点ではもっとひどいかも。すぐに使えるDaaS(Database as a Service)を用意していたらちょっとは「ほう」と思ったかも。
オラクルのクラウドへの第一歩


RedHat
Amazon WS上でJBossが動くようになるらしい。
Red Hatが見据える次世代のアーキテクチャ


Salesforce.com
結局、「クラウドだけどSaaS/PaaSではない」サービスは、ユーザーにとってはハードウェア準備・運用の手間は省けるけど、サーバソフトウェアの構築・管理、アプリケーション開発をしなければならないことは変わらず。MSのアプローチはまた独特だけど。
また、クラウドはそれだけではその存在に意味は無く、クラウド上で提供されるサービスがビジネスとして確立しないと成り立たない。エンタープライズ分野でインフラ・ミドルウェア・アプリケーション・開発環境まで(クラウドからSaaS/PaaSまで)トータルに提供し、実用化・収益化できているのは、事実上SFDCのみか・・・


今のところ、Salesforce.comが独走態勢で、他企業が技術・サービス両面で追いつくのはもう少し先になると思う。

SFDCを脅かすのは、オープン化の波かもしれない。
Amazon WSがXenベースであるため、JBossやOracleは対応できた。
アメリカではAmazon WS互換の他社サービスも始まっているらしい。Amazon WSのバックアップやフェイルオーバー用途に使えるとのこと。
数年後にはプロプライエタリなテクノロジによる囲い込みをオープンソースが切り崩すという波がクラウドコンピューティングの世界にも来るかもしれない。